2006年04月25日

【医療エッセイ】1-6『4つの管』

※これはゴンザが2002年に体験した医療の現場についての連載レポートです。できれば過去の記事からご覧下さい。

◆記事目次◆
1-1)『輪切りの私』
1-2)『白衣の天使は実在するか?』
1-3)『センセイになった日』
1-4)『こうじょうせん途中下車の旅』
1-5)『オープン・ザ・医療』
1-6)『4つの管』(当記事)

私が甲状腺がんの手術のために入院したのは、2002年10月23日のことだった。奇しくもこの日は、私の誕生日である。

入院に際しては、たいてい看護婦さんによる問診があるが、その時まず最初に名前と生年月日を聞かれる。
「昭和**年、10月23日です……へへっ、今日なんですよ」
やや自虐的な笑いとともに答えると、看護婦さんは目を見開いて言った。
「まあ、そうなんですか。それはまた……一生忘れない誕生日になりますねえ」

……たしかにね。

最近の手術入院というのは、とてもハイペースである。入院した翌日には手術を行い、早ければ退院は1週間以内だ。首のところにある甲状腺を全部切り取って、リンパ節もざっくりいって、頚動脈の1本をブッチぎるわりには、ずいぶんスピーディだ。なんとなく、自分が流れ作業の電化製品にでもなったような気がする。

さて、手術前後というのは、色々と不自由なことが多い。

理由はいくつかあるが、その最たるものを一文字で言えば「」である。
管が体の各所に入れられているので、身動きが取れないのだ。

まず1つめ。おなじみの点滴である。
水分や栄養をとるためであったり、傷の化膿を防ぐ抗生剤の投与であったり、麻酔の準備としてであったりと目的はいろいろあるのだが、手術前後は、ずっと左腕に点滴の管が刺さったままだった。

次に鼻の管だ。
手術の直前に鼻の穴から胃に達する、細い管を入れられる。
手術中に嘔吐を起こさないための対策らしい。

手術室に入ってすぐ、鼻から管を突っ込まれ、「はい、吸い込んでくださーい」と言われる。
おえっ、となりそうなのを我慢してハナをすするように吸いこむ。
2度ほど失敗し、「はいがんばってー」と励まされてやっと成功した。
「はい、上手上手、いいとこ入ってますよー」
と看護婦さんに誉められた。

やった。俺やったよ母さん。

その後、無事に私は甲状腺準全摘手術を終えたわけだが、この管は、麻酔が切れてから3時間後までとってもらえなかった。
正直、この管が一番うっとうしい。

3つめは看護婦さんの言うところの「お小水の管」である。

つまりは、その、なんだ、アレである。
漢の排水管」を延長する形で管がつなげられ、ベッドの下のポリタンクにつなげられるのだ。
これにより、トイレに行かずに用が足せるわけだが、
「トイレくらい独りで行くし!行きたいし!行かせて!」
という気分になるのをとめることはできない。

全身麻酔での手術経験のない諸兄に、念のため言っておくが、この管は「漢の排水管」の外側を覆うように連結されるのではない。
内側につっこまれるのである。

麻酔が効いて意識のないうちに入れられる、というのは「武士の情け」なのだろうか。
ちなみに手術後丸1日外してもらえなかった。

この管が、どうやってしっかり連結されるのか?というあたりが気になる人もいるだろう。

じっくり観察してみたところ、どうやら管の先に、空気を入れるとぷくっと膨らむ風船状の部分があるようだ。入れるときには、このミニ風船には空気が入っていないので細い。それをぐいと突っ込む。しっかり突っ込んだら、そこでおもむろに空気を入れる。すると、管の中でミニ風船がふくらみ、ビシッと固定されるのである。(図1)

お小水の管の取り付け方
図1 お小水の管の取り付け方

この管、外される時は、もちろん意識がある。しかも外すのは看護婦さんだ。私の場合、けっこう美人な若い看護婦さんだった。なかなかに厳しい事態だ、とみなさん思われるだろう。

しかし、あまりにこの管がわずらわしいために、恥ずかしいというより、
「おう、姉ちゃん、とっととやっつくんな!」
という気持の方が強かった。ゆえに、残念ながら「どきどき初体験・やさしくしてね」という感じにはならなかった。

なお、この管は「外す時、痛いというより、すごく気持悪い」ということを、諸兄は覚えておくとよいだろう。

最後の4つめの管は、ドレーンというものである。

┏【医療な言葉:ドレーン】┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳
┣ drain
┣ 
┣ 排液管。手術を行った部位から出る血液、リンパ液や膿、
┣ 部位によっては淡などを排出するために入れられる管。
┣ 手術した部位に差し込まれるように入れられ、
┣ 排液の量が一定以下になるまでつけておく。
┣ 
┗┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻

私の場合は、鎖骨の上あたりにこのドレーンが入っていた。
細い透明のチューブである。
その先には10センチ四方くらいのレトルトパックのようなプラスチックの透明ケースがついており、ここに排液がたまっていくように出来ている。

術後2〜3日、患者はこのチューブにつながったパックを、仲良しペットのように、どこに行くにも連れ歩くことになる。いちいち持って歩くのは面倒であるので、このパックを入れておくポシェットのような袋が支給される。
病院側のうれしい配慮だ。

手術から2日目。

めでたく「お小水の管」がとれた私は、レントゲン検査が入っていることを告げられ、エレベーターで地下の検査フロアーに下りていった。

そして立ちすくんだ。

忘れていた。
ここは外来の患者さんも来るフロアだった。

私の入院した病院は、東京・表参道の駅前にある。
隣はベネトン。向かいにはモリ・ハナエビル。通りにはクリスチャン・ディオールにルイ・ヴィトン。今はあの「表参道ヒルズ」が出来ている。
周りを見渡せば、南青山、麻布、広尾、六本木。
日本一おしゃれな地域であるといっても過言ではない。

当然、外来でやってくる患者さんもおしゃれをしてくる人が多い。
患者の80%が女性であるから、なおさらだ。

私の前には秋らしいシックなブラウン系の装いに身を包み、モスグリーンのショールをゆったりと肩にかけた上品な若奥様風のご婦人が座っていた。

かたや、私である。

寝巻き代わりの作務衣をてれてれに着ている。
素足にスリッパである。
寝ぐせに無精ひげである。
動かせない首が右に傾いている
そして、排液のパックが入った真っ青なポシェットが、肩からたすきがけに下がっている。

たぶん若奥様は思っただろう。

なぜこの方、おにぎりを持っていないんでしょう?
傘のささったリュックも足りないんじゃないかしら?

「入院患者である」というのとは違った意味での気の毒さを、私は全身で演出していた。

手術直前にもかかなかったようないやな脂汗を背中にかきながら、検査の順番を待ったあの時間。

思えばあれが、入院中最大の試練だったかもしれない。

<つづく>

◆記事目次◆
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1-3)『センセイになった日』
1-4)『こうじょうせん途中下車の旅』
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posted by ゴンザ at 16:20| 静岡 ????| Comment(6) | TrackBack(0) | 医療エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月22日

【自転車】ビアンキ・ローマ乗り初め

※「ドラえもん神社」の検索でいらした方は、ここには情報が無いので、『TNC静岡ジモティーズ』へどうぞ。私がライター参加しているブログです。


またまた更新サボっておりましたゴンザです。

さて、前回申し上げましたように、イタリア製新車「Bianchi Rome」無事ゴンザのところに届きました。届いた時にはばかでかい箱だったので、「やっべ! こんなにでけえ車種だったのか? やっちまったか!?」と驚愕しましたが、開けてみればそれは「お花の配達」と同じで、商品を傷つけないための梱包でございました。

こちらがゴンザの新車、ローマ君です。
ビアンキローマ全貌1
(クリックすると大きな画像が開きます)

思っていたよりも、悪目立ちしないシックなデザイン。チェレステ・ブルーだけだと「ビアンキやで〜!!」って感じになってしまいますが、ブラックとのツートンカラーがその主張を和らげています。

ビアンキの車種の中ではロゴは大きめの部類に入ります。
ロゴ

ビアンキローマ全貌2

この写真の時点では、なにもいじっていなくて、ほぼ「どノーマル」。オプションサービスのスタンドと、チェレステカラーのワイヤーロックをサドルポストに付けてあるだけです。
スタンド チェレステカラーワイヤーロック
ライトもまだ付けてません。

だいたいこの装備での重量を測ってみたのですが、11キロくらいのようです。体重計に立てて載せてみてるだけなので、あんまり正確じゃないですが。前の自転車が14キロくらいあったので、ビックリするくらい軽く感じます。

乗った印象としては、やはり軽快という感じ。ギアチェンジもスムースで、一気に加速できます。ギア比はやはり、ややロード寄りのクロス、というレベル。スピード重視の人にはちょっと物足りないかもしれません。

ローマはディスクブレーキがイマイチ、という人がいるようですが、
ディスクブレーキ
ごめんなさい、ゴンザにはどのへんがダメなのかよくわかりません。きれいに減速できるので、特に問題はないと思うんですが……。

ハンドルの部分はこんな顔。
ハンドル
バーエンドのツノは、主に坂道を上る時に握るものなんですが、まだつかったことないです。実用っていうより、デザイン的にアクセントになってる感じですね。ロード系の自転車乗りからは、ハンドルの幅が長いという評判が立ってます。ゴンザは大して気になりませんが、言われてみるとそうかも。

今の時点で違和感を覚えているのは、サドル。
純正サドル

これまで乗っていたのが、シートポストサスペンション+大き目サドルというクッションの効いたコンフォート系バイクだったので、やっぱりこういうスポーツバイク系の小さなサドル+サスペンション無しはお尻が痛いです。まだサドルの高さや位置決めが甘いせいもあって、10分くらいで腰が痛くなってしまいました。

ツーリングよりもポタリング(自転車でゆっくりぶらつくこと)、というタイプのゴンザとしては、もっと座りごこち重視のサドルに交換しようと計画中です。

ざっと調べてみたところでは、サドルは「スペシャライズド」が開発に力を入れているらしく、中でも座りごこちについては「BGコンフォート・クラシック」という商品の評判がいいようです。
スペシャライズド BGコンフォートクラシック
スペシャライズド BGコンフォートクラシック

BGというのは、ボディージオメトリーの略で、人間工学に基づいてデザインされた、スペシャライズドのパーツブランドなのだそうです。中央の切れ込みが、尿道や前立腺への圧迫を和らげてくれるんですね。

スポーツ車につけるには大きすぎるので、ママチャリっぽくなってかっちょ悪い、という人もいるようですが……。実際自転車屋で見てみたいところです。まあ、ゴンザは実用重視の人間なので、あまりそういう格好とかは気にしないんですが。

もうひとつ、最近流行りのサドルが、フィジークの「アリオネ」。プロチームが使って好成績を上げていることから、一気にブレイクしたらしいです。
アリオネ・ビアンキプロ
なんでも、前後にながーい形状をしていて、座る位置を前後に変えることで、ゆっくりこぐ時のスタイル、はやくこぐ時のスタイルなどに合わせた最適の座り方ができるのが特徴なんだとか。
上の写真は、限定発売のビアンキプロチーム仕様。もちろんチェレステ・ブルーです。おお……かっこいいのー。

サドルの座りごこちを良くするためには、サドル自体の交換以外にシートポストの交換という手もあります。シートポストというのは、サドルの乗っかってる棒のこと。

これをサスペンションつき、つまりびよんびよん、とクッションの効く突っ張り棒に換えることができるんですね。
06 SPECIALIZED パーツ フューチャーショック サスペンション シートポスト
06 SPECIALIZED パーツ フューチャーショック サスペンション シートポスト

↑こんなやつです。ROMEのシートポストは計ってみたところ27.2mmですので、これと換装可能。他にも、パンタグラフのような構造をした、
SR SUNTOUR SRサンツアー SP-NCX-D3
SR SUNTOUR SRサンツアー SP-NCX-D3
こんなのもありました。

気をつけるべきは、今のワイヤーロックが、シートポストにつけるタイプなので、シートポストを交換することで、つけられなくなってしまうかも、というあたり。その場合はロックの設置を別途考えるしかないかもしれません。

まずは、コンフォート系サドル&サスペンションシートポストをセットで買って、試してみたいなあと思っています。ROMEの基本カラーが黒なので、シートポストとサドルも黒、もしくはチェレステ。とりあえずはスペシャライズドの組み合わせ、「BGコンフォートクラシック」&「フューチャーショック サスペンション シートポスト」でいこうかな、と。

これがうまく行ったら、もうあんまりいじるのはやめようと思ってます。自転車って、いじり始めるとキリがなさそうで怖い。色々パーツを交換して、ふと気づくと元の自転車の面影は無く、新車1台分以上のお金をパーツにつぎ込んでいた、なーんて話も良く聞きます。そうなると、もう改造のための改造ですからねー。

ゴールデンウィークは、自転車いじりとポタリングだ!
posted by ゴンザ at 18:33| 静岡 ????| Comment(3) | TrackBack(1) | 自転車 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月14日

【自転車】くるぞ!自転車&衝撃のニュース

ビックリするほど更新をサボっていました。もー年度始めのこの時期は、本業がビックリするほど忙しくて。こういうとき、何かひとつのことをやると、同時にほかの事をやることができないという自分の不器用さを実感します。

さて、そんなゴンザにうれしいニュース。前に注文した自転車が、ついにイタリアから上陸したそうで、明日4月15日(土)にゴンザの手元に届くそうな。

Bianchi Rome 2006年モデル

イッヤフウウ! ついにBianchi Romeライダーとなります。

ならし運転の日となるべき4月15日の天気予報は……曇り。ま、いいんじゃないでしょうか。雨男のゴンザとしては上出来です。明日は新車の受け入れ態勢を整え、今までの愛車の整備をします。

そして、盗まれないための対策をほどこさなくては。今は、部屋の中を通してベランダに置こうか、などと考えていますが、ゴンザの性格からすると、すぐめんどくさくなってしまいそうです。乗るたびにいちいちベランダ⇒部屋⇒玄関⇒廊下と運ばなくてはいけないわけですから。こういうときは一軒家住まいがうらやましい。

このうれしいニュースとまったく関係なく、結石持ちのゴンザに衝撃的なニュースが、今朝メールで届いていました。

腎結石の衝撃波治療→糖尿病リスク4倍…米で追跡調査

ガッ。オーマイガッ!

腎結石の治療に、衝撃波破砕を用いた人と、他の治療法を用いた人を比較すると、衝撃波破砕を用いた人は、糖尿病や高血圧になりやすい、という研究結果が出たのだそうです。腎臓やその周辺にダメージを与えてしまう「衝撃波の副作用」なのではないか、というのが研究者の分析。腎臓の近くには、インシュリンを分泌する臓器であるすい臓があるので、とくに糖尿病への影響が大きいようです。

……無害とは思っていなかったけれど、糖尿病に4倍近くなりやすいのかよ……ショック。

ただ、この研究結果もなかなか微妙。衝撃波破砕を受ける(原)⇒糖尿病になる(結)という因果関係がそれほど明確ではないような。

アメリカではどうなのかはよくわかりませんが、現在衝撃波破砕術というのは、結石治療の主流となっているはず。となると、「衝撃波破砕で治療した人」と「それ以外の方法で治療した人」を比較する上で、「それ以外の方法で治療した人」のサンプルがそれほど多く得られたのかが疑問。

そして、「衝撃波破砕以外の方法で治療した人」というのは、衝撃波破砕以外で治療可能なタイプ、あるいは衝撃波破砕を受けることができないタイプの病状だったという可能性があるので、おなじ「結石患者」とはいえ、そもそも根本の部分で病気の傾向が違うのかもしれません。

因果関係というよりは、衝撃波破砕を受けられるタイプの結石ができる体質の人と、糖尿病になりやすい体質の人に、共通性があるのかもしれません。

……って、どっちにしてもダメじゃん。

糖尿病になりやすいことに変わりは無いじゃん。
posted by ゴンザ at 14:26| 静岡 ????| Comment(3) | TrackBack(0) | 自転車 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする