2005年12月15日

【医療エッセイ】1-5『オープン・ザ・医療』

※これはゴンザが2002年に体験した医療の現場についての連載レポートです。できれば過去の記事からご覧下さい。


◆記事目次◆
1-1)『輪切りの私』
1-2)『白衣の天使は実在するか?』
1-3)『センセイになった日』
1-4)『こうじょうせん途中下車の旅』
1-5)『オープン・ザ・医療』(当記事)
1-6)『4つの管』

甲状腺癌の治療方法の主流は、外科的手術である。癌になっている部分を切除してしまうという治療が症例のほとんどを占める。

私もこの切除手術を受けることとなった。甲状腺全摘手術である。

東京の病院への転院後すぐ、病状と手術について主治医から詳しい説明を受けることになった。いわゆるインフォームド・コンセントというやつである。

┏【医療な言葉:インフォームド・コンセント】┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳
┣ Informed Consent
┣ 
┣ 「説明を受けた上での合意」。
┣ 医療の世界では永らく「患者は医者の指示に黙って従うもの」
┣ という考え方が支配的であった。
┣ しかし近年、医師の立てる治療計画について、
┣ 医師は十分な説明を行い、患者はそれを納得した上で
┣ 治療を受けるべきである、という考え方が起こった。
┣ これがインフォームド・コンセントである。
┣ 「開かれた医療」の根幹理念と言える。
┣ 
┗┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻

まだ30代と思しき若い主治医は、背の高い、自信にあふれた男だった。
ひとしきり甲状腺癌というものについて、そして私の病状について説明してくれた。

「比較的進行していますが、大丈夫です。
 甲状腺癌は怖いものじゃないですから。
 20年後の生存率も90%以上です。」

自分の生存率がパーセンテージで説明されるのは、なかなか複雑な気分である。

手術自体はさほど難しいものではないこと。甲状腺全体と、病巣が広がっている右首筋のリンパ節の一部を切除すること。また、右首筋の動脈の一本を切除することなどを医師は説明した。

首の動脈!? そんなん切って大丈夫なんかい!?と驚愕したが、医師によれば、一本を切除すると、他の動脈が太く成長して、失われた部分をきちんと補ってくれるのだそうだ。

「人間の身体って、良く出来てるんですよ。」
そう言われてしまうと、こっちとしてはもう「はあ。そうなんですか。」と返す以外ない。所詮は素人なので、最後の部分は医師を信用するしかない。ある意味においては、病院選び・医者選びの段階が、「インフォームド・コンセント」の最重要部分とも言えるだろう。

「では手術の合併症について説明しますね。」

┏【医療な言葉:合併症】┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳
┣ がっぺいしょう
┣ 
┣ 手術をすることで生じるマイナス面のこと。
┣ 事故的なものも含めての手術の危険性と、
┣ 結果として起こりうるデメリット、と考えればよいらしい。
┣ ちなみに、手術でなく「糖尿病の合併症」というような
┣ 文脈で使われる場合は「ある疾患に付随して起きる他の病状」
┣ という意味になるようだ。
┣ 
┗┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻

「えーと、まず手術後の出血です。
 手術後にですね、切った部分が中で出血を起こすと、首から顔のあたりがこうぱんぱんにはれてですね、危険です。
 これ死にます。」
 
 おい!
 
「まあ、これは起こる可能性は極めて低いですから大丈夫です。」

 先に言えよ!
 
「それから、声を出す神経を傷つける可能性があります。
 この神経は右と左にあるんですが、両方とも動かなくなると、呼吸が出来なくなってですね、
 これも死にます。」

 こらー!!
 
「まあ、今回はそこまでメス入れないで済むと思います。」

 だから先に言えって!!

    ◇
 
主治医はとても率直な人だった。説明は簡潔で、わかりやすかった。
欲を言えば、話の展開と言葉の選び方にもうちょっと工夫が必要なような気がした。

ビバ・開かれた医療。

【つづく】

◆記事目次◆
1-1)『輪切りの私』
1-2)『白衣の天使は実在するか?』
1-3)『センセイになった日』
1-4)『こうじょうせん途中下車の旅』
1-5)『オープン・ザ・医療』(当記事)
1-6)『4つの管』

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posted by ゴンザ at 10:16 | 静岡 ☁ | Comment(3) | TrackBack(0) | 医療エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
まずは患者をなごませてくれる素敵な"センセ"に当たってよろしゅうございました(^^)
患者の扱いに余裕を感じさせるところをみると、きっと手技にも自信がおありなのでしょう。

実際に喉元を過ぎるのは術後でしょうが、"あつさ"で得られた経験は貴重ですよね。

手術日までは心が不安定になる時もあると思われますが、"大チャンス"に変えて下さいね。

フレ〜フレ〜ゴンザさん\(^o^)/

Posted by みちる at 2005年12月15日 11:44
前後の記事を良く見てみると、私はひとりで時差ボケに陥っていた模様です。

2002年って書いてあるじゃん…。

あ゛〜。

携帯で閲覧してたのでコメントの前に記事全体を確認できなかった、とか、風邪ひいて寝込んでたから頭がボーッとしていた、とか、言い訳になります?

はぁ…ますますアホになってゆく…
Posted by みちる at 2005年12月15日 21:27
しばらくブログお休みしてました。もーお仕事が年末進行に入ってしまって大変で大変で。

すいませんねえ、なんかライブで心配してもらってたみたいで。今はもう手術の傷も癒え、こうして笑い話にできるまでになっております。まあ、完治はしてないんで、先日みたいに定期的な処置をしている状態なんですけどね。

とりあえず、かるーいタッチで「医療エッセイ」お楽しみくださいな。
Posted by ゴンザ at 2005年12月24日 00:29
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