2006年03月16日

【医療エッセイ】石との闘いR(第2話/全4話) 衝撃篇(前)

この記事はシリーズ連載です。できれば最初の記事からどうぞ。

前回シリーズ『石との闘い

■『石との闘いR』目次
 石との闘いR 第1話 発症篇
 石との闘いR 第2話 衝撃篇(前) 当記事
 石との闘いR 第3話 衝撃篇(後)
 石との闘いR 第4話 成果篇

年明けすぐ、私は衝撃波による結石破砕術を受けることになった。
かなりご機嫌な新年の幕開けである。

衝撃波破砕は手術の一種だが、切らないで済むので身体へのダメージが少なく、日帰り入院のケースが多い。
私も日帰りでの手術となった。

午後1時に衝撃のスタートだが、11時に受付に行く。
手術前の下準備があるのだ。
診察室奥の部屋に通されると、そこには無理やりな感じで、3床のベッドが並べられていた。
それぞれがカーテンで仕切られていて、学校の保健室のようだ。

隣にはすでに誰かが入っているらしく、カーテンが引かれている。
看護婦さんと患者らしきおじさんの声が聞こえてきた。
「○○さーん、12時半から衝撃波だよねー。」
「おー。もうすぐ点滴1本目終わるよー。」
「はーい。さすがベテランさんだねえ。」
「いやいやー。あははー。」

どうやら、隣にいるのは結石の玄人らしい。
私もいずれはあんな風になれるのだろうか。

なりたかない。

私も点滴を受けることとなり、まずは手術着に着替える。
基本的にはパジャマのようなものだが、点滴の管をさばきやすいよう、上着はハッピのようになっている。
「ピンクのしかないんだけど、いい?」
看護婦さんが申し訳なさそうに言う。

……そこは大した問題じゃないです。

気弱に笑った私は、さっさとピンクに着替えて点滴を受けた。
点滴の中身は生理食塩水、ブドウ糖、抗生物質といったところだ。

ところで、手術といえば麻酔がつきものだが、衝撃波破砕術には麻酔は用いない。
麻酔なし。麻酔なしで衝撃波。衝撃波でどーん。

ただし「痛み止めはします」と聞かされていた。
痛み止めの注射は大抵、普通の静脈注射より痛い筋肉注射だ。
痛み止めの注射が痛いというのは、ガラの悪い警察官みたいに不条理だ、などと考えていると、看護婦さんが近づいてきた。
「そろそろ痛み止めして、破砕室に行きましょうね。」

……あの。
その手に持ってらっしゃるのはなんでしょうか?
白くて弾丸のようなその形。
そしてあなたはなぜビニール手袋をしてらっしゃるの?

痛み止めは坐薬だった。注射ではなかった。

しまった。その可能性を失念していた。
いきなりこんなところで、おしりに危機が訪れるとは予想だにしていなかった。
ひっつめ髪の看護婦さんは入れる気満々で迫ってくる。

右手に光る白い銃弾
やばいやばいやばいやばい。
ゴンザ、貞操の危機

人間というものは、危機に陥ると驚くべき集中力を発揮する。
看護婦さんの数歩の間に、私は頭脳をフル回転させていた。
何かいい手はないかないかないかないかないか…………。

「あ、あの、ちょっとトイレ行ってきていいですか?」
「ああ、いいですよ。」
「すいません。」
「あ、じゃあこれ自分で入れてこられる?」
「もちろんです。」
「出たら、そのまま破砕室に行きましょう。」

よっしゃあああああ!

トイレに行く→脱ぐ→用を足す→もどる→脱ぐ→坐薬→二度手間。
トイレに行く→脱ぐ→用を足す→坐薬→効率的。
看護婦心理誘導作戦は、見事に成功した。
操は守った。

私は意気揚揚と坐薬を入れると、ピンクのパジャマ姿で点滴スタンドをカラカラ引きながら、破砕室へと向かった。

<つづく>

■『石との闘いR』目次
 石との闘いR 第1話 発症篇
 石との闘いR 第2話 衝撃篇(前) 当記事
 石との闘いR 第3話 衝撃篇(後)
 石との闘いR 第4話 成果篇

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posted by ゴンザ at 09:00 | 静岡 ☁ | Comment(3) | TrackBack(0) | 医療エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
あはは…
見たかったなぁ…ピンクのパジャマ^_^;
早く続きが読みたい!です。
Posted by mika at 2006年03月17日 21:55
ふぅ〜危なかったですねぇ。。看護師さんに弱み(?)を握られるところでしたネ。。男の人の場合、おしり(局部)って、お母さんにも見せられないんじゃないですかぁ?絶対に見せたくないっていう人を2人ほど知っていますから。。
今も、ゴンザさんは石を持ってるってことですよね。。自転車は石を出すため???
・・・なんかワイルドな感じがすると思いましたよ。。では、お大事に☆ 
Posted by 麗奈☆ at 2006年03月18日 12:48
>mikaさん
ゴンザのパジャマ姿は、キュートアンドセクシーだったはずです。ピンクがあれくらい似合うのは、ゴンザと林家ペー師匠くらいでしょう。

>麗奈☆さん
この時はしっかり操を守りました。平気で見せられるようになるのも、どうかと思うし。それはそれで気持ち良いのでしょうか?
ええ、今も石はあります。やばい痛みも。石を出すのは、ジャンプ系の運動がいいらしいです。なわとびとか。自転車もねじり系の動きとしてはいいかもです。
Posted by ゴンザ at 2006年03月19日 21:36
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