2010年07月15日

小豆餅で小豆餅を食べる

静岡の【珍地名探訪】シリーズです。第一弾は、函南の「新幹線」。第二弾は清水区の「土(ど)」。

しかしこれらを超える珍地名が、静岡県にはまだあるのです。浜松市中区にある「小豆餅(あずきもち)」です。

これは全国的に見ても、なかなかパンチの効いた地名ですね。面白いけど、自分はあまり住みたくはない、という人が多いかもしれません。電話で和菓子を注文する時とかに、いらぬ混乱を生みそうです。

「では、金つばを3箱ということで」
「はい」
「お届け先、教えていただけますか?」
「えーと、浜松市中区の」
「はいはい」
「小豆餅…」
「はい? 追加注文でございますか?」
「いえ、小豆餅3丁目の…」
「大福を3つですか?」
「そうじゃなくて!」
とか。

さて、この小豆餅という地名には、面白い伝説が残されています。というか、由来が残されていなかったらものすごいモヤモヤしますよね。







登場するのは、静岡県に縁の深い英雄、徳川家康。家康は最終的にに天下を取った、つまり「勝った武将」として有名ですが、もちろん敗戦もあります。その最大の負け戦が、三方ヶ原の戦い。相手は武田信玄です。この時の家康は、それはもう完膚なきまでに叩きのめされて、討ち死に寸前で浜松城に逃げ帰っています。

その敗走の途中、腹を空かせた家康が茶屋で小豆餅を食べました。その茶屋があったところが、現在小豆餅と呼ばれる土地なのだそうです。

この話には続きがあります。小豆餅を食べている最中に、武田軍からの追っ手がかかり、あわてた家康は餅代を払わずに逃げました。
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すると「食い逃げじゃあ!」と茶屋のおばばがそれを追いかけました。
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そしてついにひっつかまえて餅代を払わせた、そこが「銭取(ぜにとり)」という場所になったということです。銭取は今は地名としては残っておらず、バス停の名前として存在しているだけです。
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それにしても、生死を賭けて馬で逃げる「海道一の弓取り」を、足で走ってつかまえるって、いったいどんなおばあさんだったんでしょうか。小豆餅〜銭取間は約2キロあります。

1)地元の人しか知らない抜け道をつかって、追いかけた
2)道がぬかるんでいて、馬がなかなか進めなかった
3)おばあさんが、すごかった

3番なら、このおばあさん、茶屋なんかやっているのはもったいない。忍びとして雇うべきですね。本当は徳川家の忍びで、なんらかの情報を届けるために家康を追ったのかもしれません。

なーんて、つらつら書いてきましたが、この伝説は信憑性が低いのだとか。そりゃそうですね。このあたりは当時茶屋どころか、民家すらなかったらしいです。実際は三方ヶ原での死者を弔う為に、徳川ゆかりの家がこの地に小豆餅を供えたのが起こり、とする説が有力だそうです。銭取も、よく山賊が出没して銭を奪っていったからといわれています。

ちなみに、小豆餅の他にもこの周辺には、家康の逸話が残っています。敗走の途中、食べ物を求めた家康に、地元の者が粥を差し上げた。それに感謝した家康は、後にこの家に「小粥(おがい)」という苗字を授けた。あるいは、神社に隠れた家康の馬の白い尾が、外にはみ出ていた。それを教えて家康を救った者が、「白尾」という苗字を授かった。本当か嘘か分かりませんが、面白いですね。

さて、雨のしのつく中、私、現地小豆餅にやってまいりました。
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小豆餅バス停。

なんだってこんな企画を組んだときに、雨が降るかなぁとぼやきつつも、小豆餅を散策します。
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北と南にもバス停。意外と広い小豆餅。

小豆餅は一丁目から
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四丁目まであります。

基本的には住宅街です。ですから、
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きちんと公共施設もあります。

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町名を決めたときの記念碑もそばに。

さらには静岡県らしく、
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自主防災隊がしっかり活動中です。

そして、さすが浜松市。
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祭りの準備も万端です。ちょっと見づらいですが、右側には「あづき連凧置場」と書いてあります。浜松祭りは凧祭り。町の凧がここに収納されているんですね。

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小豆餅屋台置場。
「らっしゃいらっしゃい〜。美味しい小豆餅、1パック300円〜2パックなら500円だよ〜」と想像してしまいましたが、たぶんここには山車が入ってるんでしょう。

神社もございます。
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やっぱり小豆餅をお供えするんでしょうか。

マンション
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アーバンライフ小豆餅。「あ」で頭韻を踏んでいます。アーバンライフ(都市生活)のスタイリッシュさと、あずきもちの素朴さのコラボレーション。

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ほっともっと浜松小豆餅店。

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ファミリーマート浜松小豆餅店。

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ビッグウェーブ小豆餅店。

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株式会社ビルコート小豆餅工場。ここまで来ると、小豆餅で作ってるのか、小豆餅を作ってるのか、よく分からなくなってきます。

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大手携帯キャリアも

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あずきもちの販売に参入です。最近ちょっと手を広げすぎですね。

最後はやはりこの町で小豆餅を食べることにします。浜松名物としての小豆餅を売っている御菓子司・あおいさんは、ここに店舗はありません。やはり小豆餅町内で完結しないと、というわけで町内のCOOPで「小豆餅らしきもの」を買って食べます。

食べる場所はもちろん、小豆餅町民憩いの場
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小豆餅公園です。雨が激しく降っているので、無人です。

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大福じゃん、とか言わない。こっちにもいろいろ事情があるんです。

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もぐもぐ。

もう1テイク。
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ぼたもちじゃん、とか言わない。傘さして、ぼたもち持って、カメラ構えてるこっちの身にもなりなさい。

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もぐもぐ。なんだか寂しくなってきました。敗軍の将のような気持ちです。

最後に記念撮影。
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小豆餅の町、やんなるくらいに堪能しました。ご馳走様でした!







【珍地名探訪シリーズ】
第1弾:新幹線探訪記
第2弾:「土」へ行く
第3弾:小豆餅で小豆餅を食べる
第4弾:熊で熊をとる

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posted by ゴンザ at 05:00 | 静岡 ☔ | Comment(4) | TrackBack(0) | ディープな静岡 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
浜松には、何度か行ったことがあるのですが、こんなディープな世界があるのですね。

最後の「小豆ぼた餅」まで、存分に、笑わせて頂きました(^_^)
Posted by めぐめぐ at 2011年09月11日 08:16
小豆餅町民として、非常に不愉快な記事です。
Posted by あづき at 2012年05月06日 10:24
浜松出身の麻由紀と申します。小豆餅ネタ、とってもたのしく読みました。 浜松出身ですが、子どものころ引っ越したので、小豆餅のことは、 大人になってから知りました!今度お墓参りに行ったら、ぜひ立ち寄りたいです、小豆餅!
Posted by 麻由紀 at 2013年07月27日 06:04
良いですね。小豆餅。
いそのホテルによく宿泊するので親しみがあります。
あおいのお菓子、浜松だら、銭取、小豆餅。
美味しかったです。
Posted by めちゃ太郎 at 2014年08月09日 22:57
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