2012年03月01日

天邪鬼な創造者・中田ヤスタカ氏

えー、2012年2月29日に、Perfumeのレコードレーベル移籍が正式発表されまして、かっこいいグローバルページもリリース。世界へ打って出る広島の三人娘の姿勢に、ファンは喜びと寂しさと期待と不安と、もう何がなんだか良く分からない感情のお祭り騒ぎになっております。

ファンには、徳間ジャパンという極めて商売下手なレーベルが、チームPerfumeの決して焦らないペースに合っていたという思いがありますよね。なんて言ったって、「トライアングル」から「JPN」まで、アルバム発売が2年4ヶ月も空いています。「ベテランロックバンドかっ!」とツッコみたくなるほどの空白。旬の短い「アイドル」だったら、ありえないほどの悠長さですよね。ですが、それがPerfumeのリズムなんです。

ユニバーサルミュージックに移籍して、Perfumeが急に商売重視の体制になりはしないかという警戒が当然ファンには生じます。

でもまあ、私はそんなに心配していません。プロデューサーが中田ヤスタカ氏ですからね。中田氏は、プロとして「楽曲を売る」ことと、クリエーターとして「作品を創る」ことのバランス感覚に非常に長けた人です。





人が現代において創造的な活動をするとき、必ずぶつかるのが「お金」の問題です。絵を描く、バンドを組む、文章をつづる。そういったことをする場合、プロはお金につながらなければいけません。いくら新しいもの、評価されるべきものを作っても売れなければ意味がないのです。

「売る」という外への満足と、「創る」という内への満足。

前者に傾けば、単なる金好きな商売人。後者に傾けば、単なる自己満足のアマチュア。

両者をともに満たしてこそ、プロのクリエーターなのです。クリエーターはこの相反する要素のシーソーの間で、絶妙にバランスをとる存在でなければなりません。

そういった視点で、中田ヤスタカ氏の仕事を見てみましょう。

リサイクルをテーマにしたACの楽曲を求められたとき、「めぐりめぐるよ」「繰り返す」と見事にその要求に答えながら、「ポリループ」の斬新な要素を、徳間上層部に直訴してまで作品に組み入れた作曲者としての誇り。

ペプシNEXの際に、素晴らしい「Love fool」のテクノカバーをしてみせながら、フルバージョン作成への熱望を簡単に蹴るその強情さ。

KIRIN氷結には、「シュワリと突き刺すレーザービーム」と「キラキラなGLITTER」を「売って」おいて、アルバムリミックスでガツンと自分の「創りたいもの」を入れてくる大胆さ。

かと思えば、「Natural Beauty Basic」に「ナチュラルに恋して」という楽曲、「やさしい果実」には「微かなカオリ」をもって、クライアントが大満足するようなストレートを放れる柔軟さ。

さらに、これらのCMはPerfumeが商品をアピールするために作られながらも、Perfume自身の魅力のアピールにつながっています。

ものすごく、上手いのです。ストライクゾーンが狭ければ狭いほど、楽しく、そして巧妙に、いくつもの球種をギリギリのラインに投げ分けて、打者を翻弄する名投手のようです。

中田ヤスタカ氏は、Perfumeの三人やファンの予想を、敢えて裏切るような作品をつぎつぎに出しており「ねじまがってんな」とも言われます。が、私が思うに、クリエーターは天邪鬼に見えるくらいでちょうどいいのです。

なぜならば、予想通りのものを作り、確実に「売る」=「金にする」ということは、世の中で最も価値があるとされる、あまりにも強い力だから。

クリエーターは、お金の「急流」の中を、自分の理想の創造物を追い求めて、「全力でさかのぼる魚」のような存在であるべきだと私は思います。

お金の力に全力でさからって、やっと「売る」と「創る」のバランスが取れる。今の位置をキープしていられる。ちょっとでも力を抜けばお金の力に押し流され、自分のいる場所を見失う。「売れる」ことを「成功」とイコールであると考えてしまったとき、クリエーターはクリエーターとして溺れ死にます。

全力で「普通」をキープ。だけど普通じゃ物足りない。その先へ進まなければ創造者ではない。Dream Fighterではないのです。

レーベルが変わっても、だいじょうぶ。この上もなく頼もしい希代の天邪鬼「中田ネジタカ氏」に、Perfumeの三人を任せましょう。








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posted by ゴンザ at 18:11 | 静岡 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | Perfume | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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