2005年10月04日

【医療エッセイ】石との闘いR(第1話/全4話) 発症篇

この記事はシリーズ連載です。できれば最初の記事からどうぞ。

前回シリーズ『石との闘い

今回のシリーズ『石との闘いR』
■目次
 石との闘いR 第1話 発症篇 当記事
 石との闘いR 第2話 衝撃篇(前)
 石との闘いR 第3話 衝撃篇(後)
 石との闘いR 第4話 成果篇


【医療エッセイ】石との闘いR(第1話/全4話) 発症篇

(やつかもしれない。)

そう思ったのは、2002年がもうすぐ終わる頃だった。

腰に感じる鈍い痛み。
ショックを与えると響く背中の重さ。
オレンジ色から赤に近づく尿の色。

あらゆる兆候がやつの出現を示していた。

やつだ。尿管結石だ。

   ◇

「ずいぶん大きくなったねえ。」

私の前にいるのは、親戚のおじさんではなく、近所の泌尿器科の医者である。
腰部レントゲン写真を感心したように見る彼は、競馬解説者の井崎さんを少し真面目にしたような顔をしている。

「前回写した時は5ミリくらいだったのに、1年足らずで、えーと、1.5センチくらいになってるよ。
 よっぽど石が出来やすい体質なんだねえ。」

レントゲンには、すくすく育った白くて丸い影が写っている。
しかし、7ミリほどだった前回より痛くないのはなぜだろう?

「痛いのはね、尿管が石を押し出そうとして痙攣するからなんだよ。
 あんまり大きいと尿管があきらめちゃうんだね。」

なるほど。
私の石の大きさと、私の尿管のあきらめのよさが明らかになった。

「これは、砕かないとダメだねえ。
 紹介状書くけど、どこの病院がいい?」
 
砕く。
結石界で「砕く」と言えば「体外衝撃波結石破砕術」を意味する。

中国奥地の武術の達人が「どーん!」と気を発すると、尿路結石が「パキーン!」と砕け散る、
というイメージだが、まんざら間違いとも言い切れない。

結石治療手術の一種であるのだが、切開を行わない。
機械を使って、体の外側から結石に焦点を絞った衝撃波を送り込み、そのショックで石を砕いて自然排出を促すのである。

分かりやすく言えば、
どーん!て石砕いて砂にしておしっこと一緒に出しちゃおう、
という最先端医療技術である。

……衝撃波。
英語で言うとソニックウェイブ。
必殺技以外で、こんな言葉を聞こうとは思わなかった。

……衝撃波。
日常生活ではあまり使わない言葉だ。
あまり身体に良さそうな感じではない。

……衝撃波。
子供の頃から、衝撃波にはあまりなじみのない生活をしてきた。
だから、衝撃波を当てられるのは好きになれない気がする。

ていうか、すげえ痛そうだ。

私はブルーになった。

「もう病院も年末でお休みになっちゃうから、やるのは年明けだね。
 年末年始どうしても痛くなったら、救急病院に行きなさい。」
 
私はますますブルーになった。

<つづく>

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前回シリーズ『石との闘い


今回のシリーズ『石との闘いR』

■目次
 石との闘いR 第1話 発症篇 当記事
 石との闘いR 第2話 衝撃篇(前)
 石との闘いR 第3話 衝撃篇(後)
 石との闘いR 第4話 成果篇
posted by ゴンザ at 15:57| 静岡 ????| Comment(6) | TrackBack(0) | 医療エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
待ってました!石との闘いの続編いよいよ登場ですね。何故かこの話題が大好きなんです。「体内で石を育てる男」ゴンザさんの行く末に幸あれ!
って本人にとっては大ごとですよね。あれってとってもとっても痛いそうですし。でも、続きをとってもとっても楽しみにしてます。ワクワク
Posted by ちかぼー at 2005年10月05日 01:29
ええ、大ごとなんです。実は先日、以前に砕くのを失敗した石を1個産むことに成功しました。12mm×6mm×6mmほどの立派な子でした。周りのみんなに見せたらドン引きでした。
「痛い! 見てるだけで痛い!」と。
Posted by ゴンザ at 2005年10月07日 19:39
カリスマジュエリーメーカー ゴンザさま。
この石との闘いって、ず〜っと続くわけですか?
なんか、私の周囲には苦しんでいる人がいないので、全くピンとこないのですが…

それにしても、何回出産を重ねることかと楽しみにしてる私は…
Posted by mika at 2005年10月13日 14:57
そうですなあ。おじいさんになると発症率は低くなるようですが、今のところ年1個ペースなのでまだまだしばらく闘争の日々は続きそうです。男性の7人に1人くらいは一生のうち1回は経験するらしいですから、聞いてみれば意外に周囲にも「イシモチ」はいると思われます。女性は男性の半分くらいらしいですぞ。
Posted by ゴンザ at 2005年10月14日 18:47
ゴンザさま、こんにちは。こちらにもお邪魔しますです、青鬼です。
その後体調のほうはいかがでしょうか。青鬼の
元同僚(♀)にも「ジュエリーメイカー」が
おりましたよ。
尿管は左右の腎臓からでているから、左右の管に
それぞれ2回ずつ「宝石」を生産していました。
その内青鬼が記憶しているだけでも3回救急車の
お世話になっていました。
長い尿管から膀胱へ落ちるまでが一番痛いとか。
彼女は「そろそろ出来ているのでは」と思った
ときには柿やスイカなど利尿作用のある果物を
大量に摂取して、ひたすら「縄跳び」をする
のが一番痛くない、と言っていました。

ゴンザさまのご参考になりましたでしょうか。

また「石を生成しやすい」体質改善のため
(併せて甲状腺の改善のためにも)一度栄養士と
食事療法をされていくことをお勧めいたします。
「痛風」になる人は大のビール好きだったり
するように病と食事は裏表の関係にあります。

ご自愛ください。
Posted by 青鬼 at 2005年10月17日 16:44
女性での「イシモチ」は少し珍しいですね。男性の半分以下だったような気がします。
ええ、尿管にあるときが一番痛いんですよこれが。のたうちまわるほどの痛みです。そして痛みのわりにたいしたことない病気なのが泣けるところです。
ところで、うちの姉は立派に試験をとおった「管理栄養士」なのですが、相談しても「さあ……」と答えるすてきなキャラクターです。
Posted by ゴンザ at 2005年10月18日 18:04
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